玄関のドアをくぐるとき、私は美しいホテルに足を踏み入れるような気分でいたいのです。
正直に言えば、これはまったくの幻想です。わが家の玄関ホールには、猫が2匹、犬が1匹、入れ替わり立ち替わり現れる野性味あふれる小さな人たち、そして予測のつかない現実の生活の混沌が、まるごとあります。それでも玄関にはCity Grandeur, Londonがあり、ドアを開けてから、すぐに対処しなければならない何かに向き合うまでの、短く輝くようなひとときには、ちゃんと効くのです。ベルガモット、レモン、ブラックティーが立ちのぼり、その一瞬だけ、私は優雅で落ち着いた場所にいて、身のまわりのすべてを完全に掌握しているのです。
香りにはそういう力があります。意識するよりも先に、部屋の空気を変えてしまうのです。偶然にまかせるのではなく、意図をもって香りを選ぶと、はっきりと感じられる違いが生まれます。
私がいつも立ち返る考え方は、次のとおりです。
部屋の性格から始める
どの部屋にも、それぞれの雰囲気、それぞれのペース、それぞれの目的があります。選ぶ香りは、それに逆らうのではなく、それを映し出すものであるべきです。
玄関ホールは、住まいが最初に奏でるノートです。客人が何かを言う前、コートを脱ぐ前、ほかの何かを目にする前に感じるもの。ベルガモット、レモン、ブラックティーの爽快な明るさをもつCity Grandeur, Londonは、その始まりを印象深いものにしてくれます。ささやくような香りではありません。高らかに告げ、そして迎え入れるのです。
ダイニングルームには、より濃密で、儀式めいた香りがふさわしいでしょう。人をもてなすとき、そこには必ずNight Blooms, Indiaがあります。ジャスミンサンバック、クローブ、プラムの深いミドルノート、そしてベースにはパチュリとバニラの暗いぬくもり。どれほどキャンドルを並べ、テーブルを飾っても再現しきれない、洗練の層を加えてくれます。夜のひとときが、心を配ったものに感じられるのです。
寝室には、より静かで包み込むような香りが合います。Glorious Gardens, Englandは、天井が高く風通しのよい部屋で並外れた力を発揮します。空間をすみずみまで満たし、豊かなイングランドの庭の本質を室内に運び込むだけで、気分を引き上げてくれるのです。力強いのに、重くない。香りのほうが仕事をしてくれる、そんな香りのひとつです。
わが家には、なかなか見事な酒棚が2つあることから「カクテルルーム」と名づけた部屋があります。実際には、私がソファに座ってノートパソコンで仕事をする場所です。そこにはDancing Light, Lake Comoをディフューザーで置いています。部屋に入った瞬間、気分が上向きます。二方向に開いた窓から外を眺めると、香りはただそこに漂っています。輝くように、青々と、穏やかに。ノートパソコンを開く前の、瞑想のような数秒間です。念のため申し添えると、カップの中身は水かコーヒーです。
息子たちの部屋はといえば、十代の男の子のにおいがします。それについて書くつもりはありません。

キャンドルかリードディフューザーか:違いを知る
どちらにもそれぞれの役割があり、どちらを選ぶかは好みの問題というより、その部屋が何を必要としているかの問題です。
リードディフューザーは絶えず働き、手をかけなくても昼も夜も安定して香りを放ちます。玄関、食事と食事のあいだに空気を休ませたいダイニングルーム、寝室など、いつも変わらず香りが漂っていてほしい部屋に向いています。注意を引こうと競うことはありません。ただ、そこにあるのです。
キャンドルは、もっと意識的なものです。火を灯すと決めるのは自分です。ワックスが温まるにつれて香りが高まり、ディフューザーには再現できない儀式のような趣があります。キャンドルがふさわしいのは、自分がいちばん長く身を置く部屋、火を灯すという行為そのものが、ささやかで心地よい、意図をもったひとときになる部屋です。
住まい全体で両方を使い、部屋ごとに違う香りを置くと、どちらか一方だけでは得られない豊かさが生まれる、と感じる方も多くいらっしゃいます。
香りを重ねることについて
住まい全体で香りを重ねるときは、少しずつ、軽やかな手つきで進めるのがよいでしょう。好きな香りを見つけると、あらゆる場所で一度に使いたくなるものです。その誘惑には抗ってください。
競い合うのではなく引き立て合うように選んだ2つか3つの香りを住まいに配すれば、よく考えられた奥行きが生まれます。玄関のCity Grandeurの明るさから、居間のDancing Lightの輝くような静けさへ、そしてダイニングルームのNight Bloomsのぬくもりへ。それは異なる雰囲気のあいだを移ろう動きであり、ひとつひとつが際立ち、ひとつひとつに意図があります。
避けたいのは、香り疲れです。香りがあまりに多すぎて、鼻がそれを感じ取らなくなってしまう状態のこと。ホームフレグランスにおいても、ほかの多くのことと同じく、控えめであることはひとつの洗練なのです。
置き場所とお手入れ
リードディフューザーは、直射日光や熱源を避けて置いてください。どちらも蒸発を早め、香りのもちを短くしてしまいます。部屋の中央付近、中ほどの高さに置くと、香りが最も均一に広がります。
キャンドルは、毎回火を灯す前に芯を5mmに切りそろえてください。炎が安定し、すすが減り、器の表面全体でワックスが均一に溶けます。初めて灯すときは、ワックスが表面全体まで溶けきるまで燃やしてください。私たちの300gキャンドルの場合、少なくとも2〜3時間かかります。これによってトンネル状に溶けるのを防ぎ、キャンドルを最後まで楽しめます。
ディフューザーのリードは1週間ほどごとに上下を返し、香りの広がりをリフレッシュしてください。時間がたってリードが飽和したら、リフィルと一緒にリードを交換すると、本来の香り立ちが戻ります。

いちばん香りに気づくとき
住まいの香りを最もはっきりと感じるのは、しばらく留守にしたあとに帰ってきたときです。ドアをくぐった瞬間のその第一印象には、注意を払う価値があります。それが、そのあとに続くすべての調子を決めるからです。
けれども、私が同じくらい好きなもうひとつの瞬間があります。一日が本格的に始まる直前のひとときです。ちょうどよい香りのする部屋に座り、窓の外を眺め、温かい飲み物を手にしている。まだ何も考えていない。ただ、その中にいる。
住まいの香りは、本当はそのためにあるのです。華やかな催しのためでも、ディナーパーティーのためでも、入ってくるなり気づいてくれる客人のためでもありません。あなた自身のために。ありふれた一日のありふれた瞬間を、ほんの少し、必要以上に美しくするために。
よくあるご質問
部屋ごとにふさわしい香りは、どう選べばよいですか?
その部屋にどんな雰囲気をもたせたいかを考え、それを映し出す香りを選んでください。玄関ホールには、爽やかで迎え入れるような香り。ダイニングルームには、濃密で洗練された香り。寝室には、穏やかで包み込むような香り。居間や仕事場には、輝きがあり、よく考えられた香りがよく合います。迷ったときは、Island Breeze, Seychellesを。私たちがつくる香りの中でも特に幅広く使える香りで、ほとんどどんな部屋の気分も引き上げてくれます。
キャンドルとリードディフューザー、どちらを使うべきですか?
リードディフューザーは手をかけなくても絶えず香りを漂わせるので、玄関や寝室、いつも香らせておきたい部屋に最適です。キャンドルはより意識的に使う、儀式のためのオブジェで、自分がいちばん長く過ごす部屋に向いています。住まい全体で両方を使い、部屋ごとに違う香りを置くと、最も豊かな結果が得られると感じる方も多くいらっしゃいます。
Told Londonの香りを、家でいくつも使ってもよいですか?
はい、むしろおすすめしています。競い合うのではなく引き立て合うように選んだ2つか3つの香りは、ひとつの香りでは生まれない奥行きと変化をもたらします。大切なのは控えめにすること。同じ空間でたくさんの香りが競い合うと、すぐに香り疲れが起きてしまいます。
キャンドルを長もちさせるには、どうすればよいですか?
毎回火を灯す前に、芯を5mmに切りそろえてください。初めて使うときは、ワックスが表面全体まで溶けきるまで燃やしてください。すきま風の当たる場所は、燃え方が不均一になるので避けてください。また、私たちの300gキャンドルは詰め替え可能なので、ワックスがなくなっても、器とその物語は続いていきます。
リードディフューザーは、どこに置けばよいですか?
蒸発を早める直射日光や熱源を避けてください。部屋の中央付近、中ほどの高さに置くと、香りが最も均一に広がります。リードを毎週上下に返して、香りの広がりを新鮮に保ってください。
Told Londonのコレクションをご覧ください。どの部屋にも、ふさわしい香りが見つかります。
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